今回は気密性の大切さについてお話しようと思います。
皆さんは住宅においての【換気計画】をご存知でしょうか?
室内の空気をキレイに保つため2時間に1回、家中の空気を入替えてあげましょう!ということで24時間換気が義務付けられています。
こちらは建築確認申請に必ず必要で、設計時に計画を立てて【書面による換気計画書】を提出します。
この【書面による換気計画書】がきちんと換気量をクリアしていなければ建築確認はおりません。
さて、ここで伝えたいことは【書面による換気計画書】ということです。
要するに気密がしかっかり取れている前提の計画ということです。
逆にいうと気密が取れていなければ、換気計画は計画止まりということです。
また、テーマでもあるルームエアコンや床下エアコンの効果にも影響は大です。
スキマの少ない家では、暖まった空気を外に出さない!冷たい空気を中に入れないのです!
では、私たちがどんな風に気密をとっているか一部お見せします。

※スキマから空気が出入りするから換気は大丈夫では?という方もいらっしゃると思いますが、こちらは少し難しいお話になるので最後に書かせていただきます。

コンセントボックスに気密カバー
気密カバーに通す電気配線
構造用合板の継ぎ目、基礎と土台の間
室内へ通す配線
各継ぎ目などなど

いかがでしょうか。
もちろん工法によって様々ですので一概にはいえませんが、皆さんが建築されるときには是非チェックしてみてください。
気密性を調べるには【気密測定】で実際に計測しないと分かりません。
気密測定とは、家の隙間がどれくらいあるかを測定することをいいます。
その気密性を【C値】と表します。
隙間が少なければ少ないほどC値の数字も小さくなり、より高気密住宅となります。
一般的に【C値=1以下】が高気密とされています。
気密測定を行わずに高気密は絶対に言えません。
そこにはなんの根拠もないです。
言えることは、気密性能値は一棟一棟すべて違うということ。
また、スキマがまったく無い家もないということです。
皆さんも実際に建築されるときは、気密測定をおこない【C値=1以下】を目指してください。

では気密の重要性の深堀りとして、スキマから空気が出入りするから換気は大丈夫では?についてお話します。
気密のとれていない家では暖かい空気と冷たい空気の境界線ができてしまいます。
この境界線を『中性帯』といいます。
また、この中性帯の境界線の上では無理やり外に出ようとする力が働きます。
先ほどもお話した通り、本来であれば給気口から入った空気は対面の排気口に汚れた空気とともに排出されるのが通常です。
しかし、中性帯ができている住宅(低気密住宅)の場合、入ってきた空気が対面の排気口へ行かず、近くのスキマや排気口から排出されるため、空気の出入りがあっても換気不足に陥る可能性があります。
また、スキマから勝手に換気されてしまうため、換気経路がめちゃくちゃになってしまって、24時間換気が機能しないということになるのです。
長文にお付合いいただきありがとうございました。

次は、その換気の種類について書こうかと思います。(笑)