今回は断熱性能についてお話させていただきます。
長文です。(笑)
床下エアコンを採用するにあたっては、もちろん最低限の断熱性能も必要となるのですが、
まず知っておいて頂きたいことが1つあります。
『日本のほとんどの家の断熱性能は、他の国に比べて【圧倒的】にレベルが低いです。』
そして、ホントにようやく!!ですが、日本に於いても【断熱等性能等級】というものが
定められました。
簡単にいうと、建物の断熱性能を等級1(低)から等級7(高)で指標したものです。
でもさぁ~北海道と沖縄でも同じなの??ってなりますよね。ということで、
それに伴い北海道から沖縄までの各地域の気候ごとに1地域(北海道)から8地域(沖縄)と
地域区分も定められています。
ようするに建てる地域によって目指したい断熱等性能等級の性能値が変わるということですね。
今回は私たちが奈良県の会社ですので、奈良での場合のお話で進めさせていただきます。
超ザックリですが、生駒市は5地域それ以外は6地域と思っていただければいいと思います。
【奈良県の5・6地域の等級とUA値(外皮平均熱貫流率)内訳】
※分かりやすくするために、UA値は断熱性能値と思って下さい。ηAC値は無視します。 
〇等級3 UA値=1.54
〇等級4 UA値=0.87(引き上げ前の長期優良住宅の必須数値)
〇等級5 UA値=0.60(現在の長期優良住宅、ZEHの必須数値)
〇等級6 UA値=0.46(HEAT20 G1、G2相当)
〇等級7 UA値=0.28(HEAT20 G3相当)

上記の通りです。
もし、長期優良住宅やZEH(ゼロエネルギー住宅)くらいで良いということであれば、5等級で大丈夫
ということですね。しかしながら、始めの方で書いたとおり、この数値は他国と比べても圧倒的にレベルが低いです。家の中は寒いです。エアコンも各部屋に必要です。そこはご承知おき下さい。
私たちとしては、ヒートショックが起こる可能性が高い家づくりは勧めません。
さて、話を戻しまして。。。
今回は床下エアコンを採用するという前提のお話でいいますと、最低でも等級6は必須となります。
目指したいところは、等級6.5ってところでしょうか。
これでようやく、目指すべき断熱性能値が見えてきました。次は採用する断熱材ですね。
私たちING-homeでは、SWパネル(スーパーウォールパネル)を推奨しています。が、極論をいうと
私はなんでもいいと考えています。
100mmという厚さの断熱材の性能が高いか低いかです。100mmで等級6に届かない断熱材であれば、200mmにすればいいということですね。
但し、採用する断熱材の施工方法をその会社や職人さんが理解できているという前提です。
昔からこれはこうしてきた、こう教わってきたとか、他の現場はこうだったとかは論外です。
断熱材それぞれに個性があり、その断熱材を作っている会社にはその断熱材のパフォーマンスを最大限に引き出せる施工マニュアルを持っているはずです。
そのとおり施工していただいて下さい。


今回、SW工法を採用頂いた施主様の現場とグラスウールを採用したING-homeのモデルハウスそれぞれの天井の断熱施工の画像を添付しましたのでご覧ください。
※どちらも断熱等性能等級6以上です。

スーパーウォールと書きましたが、フェノバボードやフェノールフォームも硬質ウレタンの断熱材です。
性能値としては、ほぼ同じと考えてもらっていいと思います。
グラスウールの場合、やはり上記のような硬質ウレタンの断熱材に比べて
100mmの厚さの性能値が低いので、同じ性能を担保するために分厚くして
いきます。

いかがでしょうか。
【断熱等性能等級6】
SW工法の場合、100mmの断熱材の性能が高いので100mm1枚でクリア出来ました。
グラスウールの場合、同じ100mmの性能は低いため、上に付加して等級6をクリアしました。
要するにその断熱材の性能が低いからダメということは全く無いということです。
逆に300mm乗せるとSWより性能値は良くなるということですね。


『床下エアコンを甘く見るなっ!』Vol.1からVol.3までのまとめです。
1.基礎の立ち上がりを出来るだけ無くす。
2.基礎断熱じゃないと無理。
3.きちんと施工すればどの断熱材でも目指したい断熱等級はクリア出来る。
以上です。
では、次に断熱性能も良いのに床下エアコンが効かない。。。はあります。
その家はきっと隙間だらけです。
次回は気密についてお話しようと思います。
本日は長文にお付合い頂きありがとうございました。