基礎断熱とは?メリット・デメリットや床断熱との違いを分かりやすく解説

今回は、「床断熱」の話のときに少しだけ触れました「基礎断熱」について書きます。
「基礎断熱って何がいいの?」「シロアリに弱いとか、コストが高いって本当?」と、疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、基礎断熱は気密性が高く、家を暖かく保つための非常に優秀な工法です。気になるデメリットも、正しい対策を知っていればしっかりカバーできます。
この記事では、基礎断熱の仕組みやメリット・デメリット、そしてデメリットを覆すためのポイントを分かりやすく解説します。
基礎断熱とは?床断熱との違い

家の床下をどのように断熱するかによって、「基礎断熱」と「床断熱」の2種類に分かれます。まずはそれぞれの違いを見ていきましょう。
床断熱の特徴
床断熱は、1階の床のすぐ裏側に断熱材を敷き詰める工法です。昔からある一般的な方法ですが、以下のような弱点があります。
- 隙間ができやすい:床の構造は複雑なため、断熱材をはめ込む際にどうしても細かな隙間ができやすくなります。ここから熱が逃げる現象を「熱橋(ヒートブリッジ)」と呼びます。
- 床下が「屋外」と同じ:床下には外の空気が通り抜けるため、冬場は冷たい風にさらされて床面から熱が奪われてしまいます。
基礎断熱の特徴
一方の基礎断熱は、建物の土台となるコンクリート(基礎)の内側または外側に、隙間なく断熱材を貼り付ける工法です。
床下も「室内」と同じ空間として扱うため、外の冷たい空気が床下に入り込まないのが最大の特徴です。
基礎断熱の3つのメリット

基礎断熱を採用することで、私たちの暮らしにどのようなメリットがあるのでしょうか。
1. 気密性が高く、家全体が暖かい
コンクリートに直接断熱材を隙間なく密着させるため、床断熱に比べて隙間風による熱損失を大幅に防ぐことができます。家の隙間の少なさを表す「C値」という数値の悪化を防ぎ、暖房の効きが良い暖かい家を実現できます。
2. 冬でも暖かい「地熱」を利用できる
床下の地面の温度は、冬でも外の空気より高く安定しています。基礎断熱にすると、この安定した「地熱(ちねつ)」の恩恵を床下に取り込むことができるため、家全体から熱が逃げるのを抑えられます。
3. 床下の木材が傷みにくい(湿気対策)
従来の床断熱(床下に換気口があるタイプ)では、夏場に湿った空気が入り込み、床下がジメジメすることがありました。
しかし、学術的な調査によると、基礎断熱の住宅は床下の環境が年間を通して低湿(相対湿度40〜80%)に保たれやすく、木材が湿気を含むリスクが低いことが確認されています。
基礎断熱のデメリットと、それを「覆す」対策

「基礎断熱はデメリットがあるからやめた方がいい」という声を聞くこともありますが、実はこれらは適切な対策でクリアできます。デメリットが覆るなら、基礎断熱は非常に魅力的な選択肢になります。
デメリット1:コストが上がる?
「基礎断熱は床断熱よりも費用が高い」と言われることがあります。たしかに材料や施工の手間はかかりますが、現実的には床断熱とそこまで大きくコストが変わるわけではありません。長期的な光熱費の節約や快適性を考えれば、十分に元が取れる投資と言えます。
デメリット2:シロアリに弱い?
基礎断熱はシロアリ被害に遭いやすいという噂があります。しかし、被害に遭いやすいのは主に「基礎外断熱(基礎の外側に断熱材を貼る方法)」の場合です。基礎の内側に断熱材を貼る「基礎内断熱」であればリスクは下がります。
いずれにしても、ホウ酸処理などの防蟻(シロアリ対策)処理をしっかり行うことで、このデメリットは防ぐことができます。
デメリット3:建てた直後の「湿気」に注意
基礎のコンクリートは、家が完成してから1〜2年ほどの間、内部の水分を放出し続けます(初期発湿)。そのため、竣工(完成)した初年度は床下に湿気がこもりやすく、カビや結露が発生しやすいという研究報告があります。
これを防ぐためには、最初の1年目は床下の換気を意識的に行ったり、除湿機を活用したりするなどのケアが必要です。
まとめ:基礎断熱はこんな人におすすめ!

基礎断熱は、以下のような希望を持つ方にとても向いている工法です。
- 冬の足元の冷えをなくし、暖かい家で暮らしたい
- 光熱費を抑えながら、家全体の温度差をなくしたい
- シロアリや湿気対策を正しく行い、家を長持ちさせたい
- 『床下エアコン』を採用いただけます。※床断熱では床下エアコンは不可能です。
「シロアリ」や「初年度の湿気」といった注意点はありますが、ホウ酸処理や換気といった正しい対策を行えば、デメリットは十分に覆すことができます。
家づくりの際は、ぜひ基礎断熱の実績が豊富なハウスメーカーや工務店に相談してみてください。
