家づくりでよくある疑問「気密測定って本当に必要?」

家づくりの情報を集めていると、「気密性がとても大事!」という言葉をよく目にしますよね。そこで多くの方が抱くのが、「そんなに大事なら、なぜ法律で義務化されないの?」「なぜ気密測定をする会社としない会社があるの?」という疑問です。
結論から言うと、気密性は快適で健康的な暮らしに絶対に不可欠です。しかし、国は「一律の義務化」ではなく「補助金などで優遇して誘導する」という方針をとっています。また、気密測定をしない会社がある背景には、住宅会社の技術力やコスト、失敗したときのリスクを避けたいという裏事情が隠れています。
この記事では、気密測定がなぜ必要なのか、そして義務化されない理由について分かりやすく解説します。
なぜ気密性能は建築基準法で義務化されないのか?

気密性が低い(隙間が多い)家は、冬は寒く夏は暑いうえに、結露の原因にもなり、下手をすれば住む人の命や健康に関わる問題に発展します。それにもかかわらず、なぜ法律で義務化されていないのでしょうか。
1. 建築基準法は「最低限の命を守る」ためのルールだから
建築基準法は、主に地震や火災などから「命を守るための最低限の基準」を定めた法律です。そのため、気密性や断熱性といった「快適性・省エネ性」については、建築基準法ではなく「省エネ法(品確法)」という別の枠組みで扱われています。
2. 地域による気候の差と一律規制の難しさ
日本は南北に長く、北海道のような寒冷地と温暖な地域では気候が大きく異なります。過去には、温暖な地域において「厳しい基準を全国一律で義務付けるのは過剰な規制だ」という声もあり、高い気密性の優先度が低く見られてきた歴史があります。
3. 国の方針は「義務化」から「優遇による誘導」へ
現在、国は法律で一律に義務付けるのではなく、高性能な家(ZEHや高い断熱等級など)を建てた場合に、補助金や減税で優遇する仕組みをとっています。これにより、民間企業の技術向上を促す方針です。しかし、そうした優遇を受けられるような「高性能な家」を実現するためには、高い気密性が不可欠という矛盾に国は気付いているはずですが…
なぜ気密測定をやらない会社があるの?

気密性能(C値という数値で表されます)は、どんなに素晴らしい設計図を描いても図面だけでは分かりません。現場で実際に機械を使って測る「気密測定」が必須です。しかし、すべての会社が測定を行っているわけではありません。そこには以下の理由があります。
1. 高度な職人技と手間が必要だから
気密性を高める(隙間をなくす)には、大工さんの高度な技術と丁寧な施工が欠かせません。「義務化されると、対応できない地元の小さな工務店が倒産してしまう」という声もありますが、実際には規模の大小は関係ありません。私たちING-homeのような小さな工務店でも、気密にこだわってしっかりと対応しています。技術力不足を規模のせいにするのは、単なる言い訳と言えるでしょう。
2. 不合格になった時のリスクを恐れているから
家が完成した後に気密測定を行い、もし基準を満たさなかった場合、「どこに隙間があるのか」を特定して直すのは非常に困難です。「責任の所在でトラブルになるから測定しない」という会社もあるようですが、本来は手直しができる建築途中のタイミングで測定を行うのが誠実な対応です。隙間があればその場で塞ぎ、施主の安全と快適さを守るべきです。
3. 測定コストがかかるから
気密測定には、1回あたり数万円(例えば5万円程度)の費用がかかります。これを建築費の上昇につながると敬遠する会社もあります。しかし、建築費自体が年々上がり続けている中で、数万円を節約して「寒い家」を建てるのは本末転倒です。命や健康に関わる重要な性能であることを考えれば、決して無駄なコストではありません。
実際のところ、気密性にはどれくらい差が出るの?

「普通の家なら、そこまで隙間はないのでは?」と思うかもしれませんが、実際には大きな差が出ます。
過去に行われた復興住宅の環境性能に関する実態調査(2015年公開)では、実際の住宅の気密性能(C値)を測定した結果、「0.27から5.14」まで、物件によって非常に大きなばらつきがあることが実証されています(※C値はゼロに近いほど隙間が少なく優秀です)。
つまり、「測ってみないと、本当に気密性が高いかどうかは誰にも分からない」というのが現実なのです。
まとめ:気密測定は家づくりに「絶対必要」

気密測定は、快適で健康的な家を建てるために絶対に欠かせないプロセスです。法律で義務化されていないからこそ、住宅会社ごとの姿勢や技術力がはっきりと表れます。
- 気密性は図面では分からないため、現場での「実測」が必須
- 測定をしない会社は、技術不足やトラブル回避の言い訳をしている可能性がある
- 手直しができるタイミングで測定をしてくれる会社を選ぶことが重要
後悔しない家づくりのために、会社選びの際は「全棟で気密測定を行っているか」「C値の保証(例えば0.2以下など)をしているか」を必ず確認するようにしましょう。
