
注文住宅を契約したのに、予定していた時期になっても建物の工事が始まらない。住宅会社から「職人不足だから」「資材が入らないから」と説明されたものの、本当に仕方がないことなのか、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
建物の着工が遅れる原因は、職人不足や資材の納期だけではありません。住宅会社の工程管理や、建築確認申請などの手続きが影響している場合もあります。
今回は、建物の着工が遅れる原因、住宅会社の責任、着工が遅れたときの対処法について、2026年の住宅市場の動向も踏まえて解説します。
1.2026年、注文住宅の着工が遅れる背景とは?

現在の住宅市場では、建築費の上昇や建設業界の人手不足が課題となっています。
国土交通省の2026年9月の調査では、主要建設資材の価格はすべて横ばい、需給もすべて均衡でした。一方、建設業界では技能者や作業員の確保が課題となっており、工事の予定に影響するケースも考えられます。
※ただし、私共現場サイドの感覚では、全て横ばいとはナフサショックの影響で、一旦資材の価格が上がりきっており、新たに上がっている物はないという認識です。
つまり、「資材不足だから着工できない」とは一概にはいえないのです。
参考:国土交通省「主要建設資材需給・価格動向調査」
2.建物の着工が遅れる4つの原因

① 職人不足や協力業者の手配ができない
注文住宅の建築には、大工、基礎工事業者、電気工事業者など、多くの職人が必要です。
人手不足によって職人の予定が埋まっていたり、複数の現場で工事が重なったりすると、着工時期が遅れることがあります。
ただし、職人不足が業界全体の問題であることと、個々の住宅会社が工事の予定を管理する責任は別の話です。
② 建築確認申請や設計の確定が遅れている
建物を着工する前には、必要な法的手続きや設計の確定が求められます。
間取りの変更、申請図書の修正、審査への対応などに時間がかかれば、着工予定日にも影響します。
また、先のブログでも説明しましたが、2025年に法令の見直しがあり、建築確認で必要となる項目が増えたのも、
原因の一つにあげられます。
③ 住宅設備や建築資材の納期が延びている
窓、断熱材、キッチン、給湯器など、特定の部材の納期が延びることも原因の一つです。
2026年も、資材や設備によっては調達上の問題が発生する可能性があります。住宅会社には、実際に何が遅れているのか、代替品の検討が可能なのかを具体的に説明してもらいましょう。
④ 住宅会社の受注過多や工程管理に問題がある
見落としたくないのが、住宅会社側の問題です。
受注を増やしすぎて現場監督や職人の手配が追いつかない、着工前の準備が遅れている、現実的な施工スケジュールを組めていない。このような事情でも、着工が遅れる可能性があります。
住宅会社を選ぶ際は、価格や住宅性能だけでなく、契約した家を予定どおり建てられる施工体制があるかも確認することが大切です。
3.着工が遅れるのは住宅会社の責任?

着工が遅れたからといって、必ずしも住宅会社に責任があるとは限りません。しかし、職人不足や受注状況など、事前に予測できる事情をどこまで考慮していたかは重要なポイントです。
まずは、次の内容を住宅会社に確認しましょう。
- 当初の着工予定日と現在の着工見込み日
- 着工が遅れている具体的な原因
- 工事の完成予定日や引き渡し日への影響
- 遅延を解消するための対応策
口頭の説明だけで終わらせず、メールなど記録が残る形で回答を求めることも有効です。
契約上の責任や損害賠償の可否については、契約書の工期や遅延に関する条項、実際の経緯などによって判断が異なります。
4.注文住宅の着工遅延を防ぐには?契約前の確認事項

着工の遅れを完全に防ぐことは難しいものの、契約前の確認によってリスクを減らすことはできます。
① 着工までのスケジュールを確認する
設計確定、建築確認申請、地盤調査、基礎工事など、着工までの工程と予定時期を確認しましょう。
② 施工体制について質問する
現場監督の配置や協力業者との連携など、工事を進める体制について説明を求めましょう。
③ 工期と遅延時の対応を確認する
契約書に記載された着工時期、完成時期、引き渡し時期を確認し、遅延が発生した場合の連絡方法や契約上の取り扱いも把握しておくことが大切です。
まとめ|着工が遅れる理由を確認し、信頼できる住宅会社を選ぼう

建物の着工が遅れる原因には、職人不足、建築確認申請の遅れ、資材の納期、住宅会社の工程管理などがあります。
大切なのは、業界全体の問題だからと諦めるのではなく、何が原因なのかを具体的に確認することです。
奈良県で注文住宅を建てる方も、住宅会社を選ぶ際には、建物の価格や性能だけでなく、施工体制やスケジュール管理まで確認しておきましょう。
失敗しない家づくりは、良い家を設計することだけではありません。安心して完成を迎えられる住宅会社を選ぶことも、重要な判断基準です。