
注文住宅を検討していると、住宅会社から「標準仕様」「ハイグレード仕様」「プレミアム仕様」など、いくつかのグレードを提案されることがあります。
キッチンやお風呂、床材などにグレードがあるのは当然だと思います。
しかし、ING-homeでは住宅そのものの基本性能については「松竹梅」をつくらないという考え方を大切にしています。
なぜなら、断熱性能や耐震性能は家を豪華にするためのオプションではなく、そこで暮らす家族の安全と快適性を支える基本性能だからです。
今回は、奈良で注文住宅を手掛けるING-homeが考える「住宅性能に松竹梅はない」という家づくりについてお話しします。
1.住宅性能をオプションにすることへの違和感

住宅会社によっては、建物のグレードによって断熱性能や耐震性能が変わる場合があります。
もちろん、それぞれの住宅会社に考え方があります。
ただ、私たちは以前から、
「家族を守るために必要な性能まで、お客様に選んでもらうものなのだろうか?」
という疑問を持っています。
例えば、キッチンの天板をどれにするのか、床材を無垢材にするのか、照明器具をどこまでこだわるのか。
こうした部分は、予算や好みに合わせて選べばいいと思います。
しかし、
「耐震性能をどこまで高くしますか?」
「断熱性能を上げるために追加費用を払いますか?」
となると、少し話が違います。
家族の命を守る耐震性能や、暑さ・寒さから暮らしを守る断熱性能は、住宅会社側が最初から一定以上の水準を確保しておくべきものだとING-homeでは考えています。
2.住宅性能は完成してから簡単には変えられない

家づくりでは、**「後から変えられるもの」と「後から変えることが難しいもの」**を分けて考えることが重要です。
家具や家電は買い替えられます。
キッチンやトイレなどの住宅設備も、費用は必要ですが将来的な交換は可能です。
一方で、
- 建物の構造
- 断熱材
- 窓の性能や配置
- 耐震性能
- 気密・防湿計画
- 日射取得・日射遮蔽
などは、家が完成してから簡単に変更できるものではありません。
だからこそ、家づくりの予算を調整するときに、最初に住宅性能を削るべきではないと思っています。
後から変えにくい部分ほど、新築時にしっかりつくっておく。
これが後悔しない注文住宅をつくるための重要なポイントです。
3.耐震性能にも松竹梅は必要ない

ING-homeでは、全棟で許容応力度計算による構造計算を行い、耐震等級3を基本としています。
理由は非常にシンプルです。
地震は、家の価格を見て起きるわけではないからです。
「予算に余裕があるから耐震等級3にする」
「予算を抑えたいから耐震性能を下げる」
私たちは、このような家づくりには違和感があります。
設備やデザインについては予算に合わせて調整しても、家族の命を守るための構造部分については、最初からしっかり確保しておく。
それが住宅をつくる側の責任だと考えています。
4.高性能住宅はUA値やC値だけでは決まらない

高性能住宅というと、UA値やC値などの数値が注目されがちです。
もちろん、断熱性能や気密性能は非常に重要です。
しかし、数値だけを高くすれば快適な家になるわけではありません。
住宅は、
断熱・気密・換気・空調・窓・日射・間取りなどを総合的に考える必要があります。
例えば、冬は窓から太陽の熱を取り込み、夏は軒や庇によって強い日射を遮る。
こうしたパッシブ設計を取り入れることで、冷暖房設備だけに頼りすぎない快適な住環境をつくることができます。
ING-homeでは日射シミュレーションなども活用しながら、数字を競うための高性能住宅ではなく、実際に暮らして快適な家を目指しています。
5.代表自身が高性能住宅で暮らして分かったこと

私自身も、自ら建てた高性能住宅で実際に生活しています。
そこで住宅性能の重要性を改めて実感しました。
真冬でも家の中ではTシャツ1枚で過ごせる。
リビングだけではなく、廊下や洗面所へ移動しても大きな温度差を感じにくい。
高性能住宅というと「UA値はいくつですか?」「C値はいくつですか?」という話になりがちですが、本当に大切なのはその先です。
住宅性能は数字を自慢するためのものではありません。
その性能によって、
「家族が毎日どんな暮らしを送れるのか」
そこまで考えることが大切だと思っています。
6.予算を抑えるなら、性能ではなく家全体を見直す

もちろん、住宅性能を高めれば一定の建築コストは必要になります。
そのため、予算とのバランスは無視できません。
しかしING-homeでは、予算を調整するために、まず基本性能を落とすという考え方はしません。
例えば、
建物を少しコンパクトにする。
不要な廊下を減らす。
設備や仕上げの優先順位を整理する。
間取りを工夫して無駄な床面積を減らす。
こうした方法で建築費全体を調整することはできます。
「性能を落として安くする」のではなく、「必要な性能を守りながら建物全体を整える」。
これがING-homeの考えるコストバランスです。
まとめ|家族を守る住宅性能に松竹梅はない

家づくりには、選ぶ楽しさがあります。
キッチン、床材、壁紙、照明、外壁など、家族の好みや予算に合わせて自由に選べばいいと思います。
しかし、
耐震性能・断熱性能・気密性能など、家族の安全と快適な暮らしを支える基本性能まで「松・竹・梅」にする必要はない。
これがING-homeの考え方です。
そのためING-homeでは、許容応力度計算による耐震等級3、長期優良住宅、設計住宅性能評価、BELS評価などを活用しながら、第三者にも確認できる住宅性能を大切にしています。
豪華な設備をたくさん付けた家ではなく、
家族が安心して、快適に、長く暮らせる家をつくる。
住宅性能はオプションではありません。
これから何十年も家族の暮らしを支える、住まいの土台です。
奈良県で注文住宅や高性能住宅を検討されている方は、住宅会社を比較するとき、坪単価や設備だけではなく、
「その会社は住宅性能をどのように考えているのか」
という部分にも、ぜひ注目してみてください。