今回は、家づくりを考え始めたばかりの方へ向けて、住宅業界の「ウソホント」をお届けします。
テーマは、土地探しで誰もが一度は耳にする「南向きの土地は良い土地」という常識についてです。
住宅営業から「南向きだから日当たり抜群でおすすめですよ」と言われた経験はありませんか? ですが、プロとして最初に断言します。
「南向きの土地=絶対に良い土地」ではありません。
確かに南向きは日差しを取り込みやすいメリットがあります。
しかし、南側に高い建物が立っていたり、高低差があったりすれば、実際の日当たりは悪くなります。
さらに大きな盲点が「道路からの視線」です。
最近は防犯やコスト面からオープン外構が増えているため、南側に大きな窓をつくっても、道路を歩く人から家の中が丸見えになり、結局カーテンを年中閉めっぱなしにしてしまうケースが非常に多いのです。
また、南向きの土地は人気がある分、価格が高くなりやすいという現実もあります。
例えば、北向きの土地と比べて500万円の価格差がある場合、その500万円を土地ではなく、家の断熱性能や窓、設備、あるいは住宅ローンのゆとりに回した方が、より豊かな暮らしが送れることもあります。
北向きの土地であっても、設計を工夫して中庭や吹き抜け、高い位置の窓などを設ければ、明るく暮らしやすい家は十分に建てられます。
土地探しで本当に大切なのは、土地を単体で見るのではなく、「その土地にどんな家が建てられるか」を建物とセットで考えることです。契約前にぜひ、住宅会社や設計士に「どんな家が建つか」を相談してみてください。
あなたの暮らしに合った家が建てられる土地こそが、本当に良い土地なのです。